現在NTT東日本/NTT西日本のフレッツ光を契約されている方で、これから光コラボレーションへの切り替え(転用)を検討中の方に、転用のメリット・注意点・手続き方法、おすすめの転用先などを端的かつ詳しく解説していきます。
光コラボへの「転用」とは?
NTT東日本/NTT西日本のフレッツ光ユーザーが、光コラボレーション(光コラボ)へ契約を切り替えることを「転用」といいます。月額料金の節約や、通信速度の向上などが期待できるため続々と転用されている方が増えているようです。
光コラボレーション(光コラボ)とは?
そもそも「光コラボレーション」とは、NTT東日本/NTT西日本以外の事業者が、NTTのフレッツ光回線網を借り受け、販売・提供する光回線サービスのことを指します。
フレッツ光回線網を利用するため、設備はそのままで、契約先がNTTとプロバイダだったものが、光コラボ事業者へ変わります。
光コラボ事業者は多数あり、そのなかでも主なものをピックアップすると、以下のようなものがあります。
・ソフトバンク光
・ビッグローブ光
・@nifty光
・So-net光
・OCN光
フレッツ光から光コラボへの転用をおすすめする5つの理由
転用するにあたってのメリットは、料金面を始めとしてさまざまなものがあります。
手続きが簡単である点など、ユーザーの手間が最小限であることも特徴的です。
工事費や違約金なしで光コラボへ乗り換えできる!
光コラボへの転用は、今までのNTTフレッツ回線をそのまま利用するため、原則として改めて新たに開通工事をする必要がありません。そのため、新たな工事費用やNTT契約に対しての違約金はかかりません。初期費用としては、光コラボ事業者に対しての契約事務手数料3,000円だけが発生します。
しかし、転用する際に現在利用しているプロバイダから変わる場合、現在のプロバイダは最終的に解約する必要があります。一部プロバイダには契約期間を設けているものもあり、期間中の解約になるとプロバイダの解約違約金がかかる場合もあります。
転用する月の料金については、転用完了日を境にNTT・光コラボともに日割りでの請求がなされます。それぞれから月額料金が満額で請求されることはありません。
また、転用時に光電話サービスを追加するなど、転用前後で回線契約に変化がある場合、追加工事費が発生するケースもあります。
光コラボで月額料金が安くなる!
光コラボでは、今までNTT東日本/西日本が設定していたフレッツ回線の利用料金を、各事業者が自由に設定できるようになりました。そのため、事業者間で価格競争が起こり、結果としてフレッツ光よりも月額金額が安くなっています。
【フレッツ光】
NTT東日本 | NTT西日本 | ||
戸建て (フレッツ光ファミリータイプ) |
4,700円 | 4,300円 | |
集合住宅 (フレッツ光 マンションタイプ) |
プラン1 | 3,350円 | 3,250円 |
プラン2 | 2,950円 | 2,850円 | |
ミニ | 3,950円 | 3,959円 | |
プロバイダ料金 | ファミリータイプは1,200円前後 マンションタイプは900円前後 |
プロバイダは大手プロバイダの平均的な料金です。一部500円という格安プロバイダもある様ですが、安かろう悪かろうといったところです。
【光コラボレーション】
ドコモ光 | ソフトバンク光 | So-net光 | ビッグローブ光 | @nifty光 | OCN光 | |
戸建て | 5,200円 | 5,200円 | 5,580円 | 4,980円 | 5,200円 | 5,100円 |
集合住宅 | 4,000円 | 3,800円 | 4,480円 | 3,980円 | 3,980円 | 3,600円 |
光コラボレーションの月額料金は、フレッツ光では別途になっているプロバイダ料金を含んでいます。また、光コラボの場合は基本的にNTT東日本、NTT西日本で区切られていないため、月額基本料は東西統一されています。
状況にもよりますが、フレッツ光と比較すると月額料金がファミリータイプで1,000円ほど、マンションタイプで400円ほど安くなります。さらに支払い先がまとまって便利です。
光コラボとのセット割適用でスマホ料金も安くなる!
フレッツ光+プロバイダの料金よりも光コラボの料金が安いとお伝えしましたが、携帯キャリアと特定の光コラボの組み合わせによりセット割引きが適用でき、さらにおトクになります。
携帯端末1台毎に割引されるため、ファミリー世帯で特に人気が集まっています。
携帯キャリア | 対象光コラボ |
ドコモ | ドコモ光 |
ソフトバンクまたは、ワイモバイル | ソフトバンク光 |
au | ビッグローブ光、nifty光など |
料金の請求元が1つにまとまる!
フレッツ光契約の場合、インターネット利用のためには別途プロバイダとの契約も必要でした。しかし、光コラボでは回線とプロバイダをセットにして提供する形が主流のため、月額料金の請求元が光コラボ事業者に一本化されます。その結果、契約・料金の管理や問い合わせ先の選択など、利用者に混乱をまねく要因が解消されました。
速度の高速化が期待できる!
光コラボサービスの多くは、「IPv6」という新しいネット接続方式を採用しています。IPv6の最大速度は1Gbpsで変わりはありませんが、安定した高速通信を期待できます。今までは「IPv4のPPPoE接続」という方式で接続を行っていました。そのため、IPv4方式での接続はユーザー数が多く、現在も混雑しやすい状況にあります。光回線なのに速度が遅い!というのはそういった理由もあります。その混雑を避けて接続できるIPv6方式の採用は、通信速度の向上に繋がります。
光コラボへの転用には注意点もある
ここまでは光コラボへの転用の料金・サービスなど、メリットを多数紹介しました。しかし100%メリットばかりというわけではありません。転用にあたって注意すべき点もいくつかあります。
キャンペーン還元額が減る可能性あり
光コラボの申し込みにおいて、「キャッシュバック」を謳う窓口も少なからず存在します。数万円のキャッシュバックと魅力的な金額が並んでいます。しかし、多くの場合、このような高額な数字は新規契約者向けのものです。新規契約の場合は新たに光回線を開通させるため初期工事費が2万円程度発生します。その分をキャッシュバックすると言った意味合いもあります。転用の場合、工事費用がかからないなど利用者側の負担が少ない分、キャッシュバックの金額も少ないケースがほとんどなので、よく確認をするようにしましょう。
フレッツ光の一部サービスは引き継げない
ひかり電話やひかりテレビなど、光コラボでも同様に提供されているオプションやサービスのほとんどは、転用後も継続して利用できます。しかし、なかには光コラボ側が対応していないものもあり、それらは転用を境に解約となってしまいます。以下該当サービスの一例です。
・NTT西日本 CLUB NTT West(ポイント還元サービス)
・セキュリティ対策ツール(セキュリティ対策ソフト)
・フレッツあずけ〜る(オンラインストレージサービス)
・フレッツなおせ〜る(ネット関連機器保証サービス)
これらのサービスを利用していて今後も必要になる場合は、他のサービスの利用を検討する必要があります。
電話番号の移行には「転用承諾番号」の取得が必要
転用するためには、NTTから「転用承諾番号」という情報をあらかじめ取得しておく必要があります。NTT東日本/西日本それぞれの専用窓口への連絡またはWEBサイトでの申請が必要です。もし転用承諾番号を伝えないまま光コラボ申し込みを進めてしまった場合、誤って新規契約での開通(新たに光回線を追加する)になってしまう可能性がありますので注意しましょう。
転用先としておすすめの光回線
光コラボサービスの種類は、今や500以上にのぼります。どれを選べばいいかわからないという人には、お使いの携帯端末とのセット割引を基準にした選択がおすすめです。ネット契約は数年単位の長期契約になることがほとんどなので、月々の割引が最終的には大きな節約につながります。
ドコモユーザーなら「ドコモ光」
ドコモの端末(スマホ・タブレット・ガラケー)を契約中の人には「ドコモ光」がおすすめです。特に「ドコモ光×GMO」ならIPv6対応で、無線ルーターの無料レンタルや、ドコモのポイント「dポイント」が5,000ptプレゼントされます。
「ドコモ光 セット割」というサービスで、スマホの利用料金から毎月最大3,500円の割引が受けられます。スマホのデータプランが大容量であるほど、割引金額が高く設定されています。-ソフトバンク、ワイモバイルユーザーなら「ソフトバンク光」
ソフトバンク、ワイモバイルユーザーに対しての割引サービスを行っているのは「ソフトバンク光」です。
割引サービスである「おうち割 光セット」は、ご契約中のソフトバンク端末1台ずつに対して最大1,000円の割引をします。対象となる端末は最大10台までなので、ソフトバンクユーザーの多いご家庭などには特におすすめです。割引のためには、月額500円のオプションパック加入が必要ですが、このオプションパックをつけることで「IPv6接続」になり、より快適に通信できるとされています。また、Wi-Fi機能もつきますので、宅内でのWi-Fi通信も可能です。
auユーザーなら「ビッグローブ光」
auユーザーにおすすめの光コラボは「ビッグローブ光」です。
「auスマートバリュー」という割引サービスにより、契約中のau端末の月額料金から1台あたり最大2,000円の割引を毎月受けることができます。対象端末は最大10台までです。適用条件として月額500円の光電話サービスの加入が必須です。
また、ビッグローブ光では「auセット割」という割引サービスが別途存在します。
「auセット割」は「auスマートバリュー」と異なり、au携帯からの割引ではなく、ビッグローブ光の料金から割引されます。割引適用条件として光電話サービスの加入は不要です。
auスマートバリューが使える光回線サービスに「auひかり」もあります。しかし、auひかりはauの自社回線を利用したサービスであるため、光コラボレーションの種類には入りません。そのため、フレッツ光からの転用もできず、加入のためにはフレッツ光の解約が必要です。
フレッツ光から転用する手順
ここからは実際にフレッツ光から光コラボへ転用する手順について、順を追って説明してまいります。
① 転用先の光コラボサービスを決める
まずは現在利用中のフレッツ光の環境から、一番いい条件で乗り換えができる光コラボサービスを探しましょう。月額料金の差額についてももちろんですが、契約中のスマホや携帯とのセット割や、キャッシュバックキャンペーンなども加味して、総合的に比較する必要があります。また、ごく稀なケースにはなりますが、戸数の多い集合住宅でフレッツ光を契約している場合など、光コラボの月額料金の方が若干高くなるケースも存在します。スマホとのセット割を加味しながら、検討が必要です。
② 転用承諾番号を取得する
NTT東日本/NTT西日本 それぞれに設けられている窓口から、転用承諾番号を取得します。
電話番号:0120-140-202 受付時間:9時〜17時(年末年始以外)
WEBから:(https://flets.com/app4/input/index/)受付時間: 8時半〜22時(年末年始以外)
電話番号:0120-553-104 受付時間:9時〜17時(年末年始以外)
WEBから:(http://flets-w.com/collabo/ )受付時間: 7時〜25時(年末年始以外)
③ 光コラボ申し込み
希望する光コラボの事業者の窓口から申し込みをします。
申し込みの際には、転用承諾番号と現在のフレッツ光の契約情報が必要です。必ずスタッフに転用申込である旨を念を押して伝えるようにしましょう。もし転用承諾番号を伝え忘れたまま申し込みが進んでしまうと、新規開通として扱われ、工事費や解約違約金などが請求されてしまう可能性も考えられます。
④ 転用完了・接続設定
申し込み後、口頭や送付書類などで転用完了日の通知があります。特別な事情がなければ、通常申し込みから1〜2週間後に転用完了になります。転用完了日には、NTTによる接続切り替え手続きが行われます。利用者側の立ち会いは不要です。
なお、転用前後でプロバイダが変わる場合、接続設定を新たなプロバイダのものにする必要があります。この設定方法は、光コラボ事業者から郵送される書類の記載情報をもとに利用者自身が設定する場合が一般的ですが、契約サービスやプランによって新たに機器が送られてきて接続するタイプもあります。
設定が分からない場合は、転用したサービスのカスタマーセンターへ連絡しましょう。
「事業者変更」で再転用も可能に!【2019年7月1日スタート】
今まで転用は、フレッツ光から光コラボへの切り替え一回だけしかできませんでした。そのため、一度光コラボに転用した契約を別のサービスに乗り換えたい場合、解約して、改めて新規で申込(開通工事)する方法しかない、というのが転用の大きな問題でした。しかし2019年7月1日から光コラボ間での切り替え(事業者変更)や、光コラボからフレッツ光に戻す契約変更が可能になりました。手順については前項フローとほぼ変わりありませんが、切り替え時に必要な情報が「事業者変更承諾番号」という名前になるという点と、取得元が契約中の光コラボ事業者になるというところだけが違います。
まとめ
フレッツ光から光コラボへの転用には、月額料金の節約や契約の単純化、通信速度の向上など、さまざまなメリットがあることをご紹介しました。
光コラボレーションがスタートした2015年から続々と加入者数を増やしているというのも、多くのユーザーにメリットがある事が理由でしょう。
手続きの手間も少なく、選択するサービスによっては携帯電話の料金まで安くなるなど、その充実度からこれからも加入者の増加が見込まれます。毎月の通信費の節約は長期に渡るほどお得ですので、早めの転用がおすすめです。
戸建向けのファミリータイプなら
NTT東日本エリアは約5,900円、NTT西日本エリアは約5,500円が一般的な料金。
集合住宅向けのマンションタイプは建物状況によりますが、多いのがプラン1で
NTT東日本エリアは約4,250円、NTT西日本エリアは約4,150円といったところです。