2020年2月18日 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)および、西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、光ブロードバンドサービス「フレッツ 光ネクスト」に加え、通信速度が上り/下り最大概ね10Gbpsの「フレッツ 光クロス」(FTTHアクセスサービス)を2020年4月1日(水)より提供開始すると発表しました。
光回線の国内シェアにおいてNTT東西で過半数を占めているフレッツ光ですが、現在の通信速度は最大1ギガ(1Gbps)でした。関東を中心にauひかり、nuro光、東海のコミュファ光、関西のeo光はすでに10ギガプランを開始しており、最高速度においては後れを取っていました。ここでついにNTTが動いたということになります。が、気になるのは、その料金プランや提供エリアなどについてです。
フレッツ光クロスの提供エリアは?
気になるフレッツ光クロスの提供エリアはこちらです。
NTT東日本 | 東京23区の一部より順次拡大 (足立区、杉並区、江戸川区、練馬区、世田谷区、葛飾区、大田区、板橋区の一部から提供開始予定) |
---|---|
NTT西日本 | 大阪市および名古屋市 |
はい。予想通りの展開。都市圏からのスタートです。しかも結構狭い…。ここからどれくらいのスピードで全国へ拡大していくのか。急拡大してくれることを願いましょう。
フレッツ光クロスの申込受付と提供開始日は?
フレッツ光クロスの申込受付開始は以下の通りです。東京、大阪は3月16日からの受付開始。提供開始は4月1日からとなります。
お申し込み受付開始日 | 提供開始日 | ||
---|---|---|---|
NTT東日本 | 東京23区の一部 | 2020年3月16日(月) | 2020年4月1日(水) |
NTT西日本 | 大阪市 | 2020年3月16日(月) | 2020年4月1日(水) |
名古屋市 | 2020年5月11日(月) | 2020年6月1日(月) |
注意書きとして、提供エリア内であっても状況次第で開始時期が異なる場合があるとのことです。
フレッツ光クロスの料金は?工事費は?
そしてさらに気になるのは料金です。
まず、初期費用ですが、これは現行のフレッツ光の初期費用と同じのようです。
初期費用 | 契約料:800円(税込 880円) |
---|---|
工事費:18,000円(税込 19,800円) |
そして月額料金です。
月額利用料 | 月額基本料金:6,300円(税込 6,930円) |
---|---|
フレッツ 光クロス対応レンタルルータ (オプション):500円(税込 550円) |
レンタルルータはオプションですので、利用者自身で用意する場合は不要です。
月額6,300円か・・・結構安・・・くない!
なぜなら、フレッツ光はプロバイダ契約が別途必要なので6,300円+プロバイダ料金となります。
現在対応プロバイダは未定ですが、現行サービスで約1,000円/月ですので、合わせると約7,300円といったところでしょうか。
フレッツ光クロス専用割引キャンペーン
割引やキャンペーンが何もないわけでもないようです。
それぞれ割引キャンペーンを用意しています。
申込受付期間 | 割引内容(税抜) | 適用期間 | 違約金 | |
---|---|---|---|---|
NTT東日本 | 2020年3月16日 ~2020年5月31日 |
1,200円/月割引 | 30ヶ月月間 | – |
NTT西日本 | 2020年3月16日 ~2020年3月31日 |
1,100円/月割引 | 24ヶ月毎の 自動更新 |
10,000円 |
NTT西日本エリアについては競合他社も多いこともあってか、継続的な割引を適用するようです。
フレッツ光クロスの対応プロバイダは?
フレッツ光でインターネット通信をするには別途プロバイダ契約が必須となりますが
今回の報道発表には以下の注意書きがあります。
インターネットをご利用いただくためには、IPoE方式に対応したプロバイダ契約が必要となります。詳細は各ISP事業者さまへお問い合わせください。
また、こんな注意書きも
PPPoE方式については、準備が整い次第提供予定となります。
ここはフレッツ光契約上の注意が必要なポイントです。
対応プロバイダの選択ポイント
どういうことかといいますと、現在フレッツ光対応プロバイダは全国で数百以上あると言われています。NTTの公式に掲載されているだけでも約500社あります。
プロバイダはインターネット接続に必要なカギとなる役目を担っています。そのプロバイダの接続方式にも種類があります。多くのプロバイダは現状PPPoE方式という接続方式でインターネット接続を行っています。
ところが、今回発表された、フレッツ光クロスはIPoE方式での接続が優先的に開始され、PPPoE方式は準備が整い次第提供予定とのことなので、フレッツ光利用者がフレッツ光クロスへプラン変更しても、契約中のプロバイダがIPoE方式に対応していなければ、プロバイダを変える必要があります。
IPoE方式に対応しているプロバイダは大手どころですと、OCN、ぷらら、Yaoo!BB、DTIなどがあげられますが、プロバイダ側での対応については現状発表されていませんので発表を待ちましょう。
フレッツ光クロスのマンションタイプは?
今回発表された内容は1つの料金プランのみです。集合住宅向けのマンションタイプについてはどうなのか?気になるところですが、この点についても注意書きがあります。
NTT西日本は、フレッツ 光クロス ファミリータイプとして提供します。
上記の注意書きから、NTT西日本は当面ファミリータイプのみの提供となりそうです。
NTT東日本については料金プランや詳細について発表されていないものの、準備が整い次第開始されるのかもしれません。いずれにしても現時点ではファミリータイプ(戸建住居向け)のみの提供となりそうです。
フレッツ光クロスのオプションに注意が必要?
提供エリア内だし、戸建だし、プロバイダも問題ないし、フレッツ光クロスを申込しようとお考えの方はもう一つ注意点が・・・。光電話です。
フレッツ光クロスは光電話に対応してません。
「フレッツ・VPNワイド」「フレッツ・VPNプライオ」「ひかり電話」等はご利用いただけません
上記のオプションは利用できないのです。今後対応する可能性があるかもしれませんが、少なくとも現状は利用できません。固定電話の利用者が少なくなりつつありますが、仕事などで利用するという方には注意が必要です。
フレッツ光クロス対応オプションは
逆に対応オプションはといいますと、アンテナ不要で地デジなどが視聴可能になるフレッツテレビは対応しています。
以下が対応可能な有料オプション一覧です。
NTT西日本 | NTT東日本 |
---|---|
24時間出張修理オプション | 24時間出張修理オプション |
フレッツ・テレビ伝送サービス | フレッツ・テレビ伝送サービス |
リモートサポートサービス | リモートサポートサービス |
訪問サポートサービス | 訪問サポートサービス |
セットアップサービス | セットアップサービス |
フレッツ・v6オプション | なおせ~る/なおせ~るPRO |
オフィスまるごとサポート ITサポート&セキュリティ |
フレッツ光クロスと他社比較
フレッツ光クロスの大体の内容が見えてきたところで、他社との比較をしてみましょう。フレッツ光クロスを申し込むうえで、やはり他社との必要です。
フレッツ光クロス | NURO光 | eo光 | コミュファ光 | auひかり | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
NTT西日本 | NTT東日本 | ||||||
通信速度 | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps | |
月額 基本 料金 |
1年目 | 5,200円 +プロバイダ |
5,100円 (30ヶ月) +プロバイダ |
5,743円 |
3,471円 | 4,740円 | 5,880円 |
2年目 | 5,937円 | 5,740円 | 5,780円 | ||||
3年目 | 6,300円+プロバイダ | 6,110円 | 5,680円 | ||||
4年目 | 6,110円 | 6,180円 | |||||
5年目 | 6,110円 | ||||||
6年目 以降 |
5,788円 | ||||||
契約料 | 800円 | 800円 | 3,000円 | 3,000円 | 3,700円 | 3,000円 | |
工事費 | 18,000円 | 18,000円 | 60,000円 (60ヶ月分割) |
27,000円 | 25,000円 | 37,500円 | |
(分割の場合 900円×30回) |
(分割の場合 625円×60回) |
||||||
工事費割引 | なし | なし | 1,000円割引×60ヶ月 | 900円割引 ×30ヶ月 |
無料 | 625円割引 ×60カ月 |
|
契約期間 | 2年毎の 自動更新 |
? | 3年毎の 自動更新 |
契約内容 による |
2年毎の 自動更新 |
3年毎の 自動更新 |
|
解約違約金 | 10,000円 | ? | 20,000円 | 1年以内 17,000円 |
10,000円 | 15,000円 | |
1~2年以内 11,000円 |
|||||||
3年目以降 長割適用時 最大8,172円 |
|||||||
光電話 | 不可 | 不可 | 不可 | 286円/月 | 光電話付き | 500円/月 | |
テレビ | 750円~/月 | 750円~/月 | 1,500円~/月 エリア限定 テレビ2台まで |
0円~/月 | 460円~/月 | 500円~/月 |
簡単に比較すると
月額料金から見ると、NURO光、eo光、コミュファ光がおトクなようです特にeo光は1年目が最安となります。契約期間と違約金、いわゆる縛りでみるとNUROがかなり縛ってる感があります。電話付きならeo光、コミュファ光、auひかりのいずれか。テレビをつけるならNURO光以外となりそうですね。
フレッツ光クロス | NURO光 | eo光 | コミュファ光 | auひかり | ||
---|---|---|---|---|---|---|
NTT西日本 | NTT東日本 | |||||
月額料金 | × | × | 〇 | ◎ | 〇 | △ |
縛り | 〇 | 〇 | × | △ | 〇 | × |
光電話 | × | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
テレビ | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
フレッツ光クロスを利用した光コラボは?
フレッツ光といえば、NTTの光回線。NTTの光回線といえば、現在契約者が増加傾向にある光コラボ(光コラボレーションモデル)です。NTTが光回線を他事業者へ卸売りし、その他事業者が自社ブランドとして提供するサービスです。
有名どころですと、ドコモ光、ソフトバンク光、ビッグローブ光などがこれに該当します。
光コラボのメリットはフレッツ光と異なり、プロバイダ一体型での提供により安価でさらに事業者独自のキャンペーンや特典があるところです。
現時点では光コラボの提供は未定ですが、今後発表されると推測されますので、続報を待ちましょう。
まとめ
フレッツ光クロスは、NTTが提供するフレッツ光の10ギガプランです。
2020年4月1日より東京、大阪、名古屋の一部地域よりスタート。
月額料金は決して安くはありませんが、NTT光回線を利用した光コラボや、すでに提供している、NURO光、eo光、コミュファ光、auひかりなど選択肢が広がります。
料金だけでなく、必要なサービスや契約期間、キャンペーンなどを加味して自身に合った、おトクな超高速ネットを選びましょう。
コメント
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[…] 2020年2月18日にはNTT東日本、NTT西日本が最大通信速度10Gbpsの「フレッツ光クロス」を 2020年4月1日 より提供開始すると発表していましたが、ドコモ光も同様にサービス提供開始することになります。 […]
[…] 2020年2月18日にはNTT東日本、NTT西日本が最大通信速度10Gbpsの「フレッツ光クロス」を 、20202年3月9日には、NTTドコモが「ドコモ光10ギガ」を、それぞれ2020年4月1日 より提供開始すると発表していましたが、ソフトバンク光も同様にサービス提供開始することになります。 […]
[…] 狭すぎ!と言われても仕方ない、超限定エリアからのスタートです。NTTなどが続々と10ギガを開始したため、何とかサービス開始させたいという感じが否めません。 […]